令和6年元日、石川県能登地方を襲ったマグニチュード7.6の大地震。
この記事では、深さ16kmの震源が引き起こした大津波警報の背景を科学的に解説します。
また、震度とマグニチュードの違いを、変遷も含めて解説します。
今回の震災は過去の日本での震災と比較しても非常に大きなものです。
震度やマグニチュードについて学び、その甚大さを理解できるようになりましょう。
能登半島地震の概要
能登半島地震は、石川県能登地方(北緯37.5度、東経137.3度)で発生した大規模な地震で、
令和6年元日の午後4時6分頃に発生しました。
マグニチュードは7.6(暫定)と報告され、その影響は広範囲に及んでいます。
この地震により、石川県能登には大津波警報が発令され、周辺地域にも影響が及びました。
(津波警報は2日10時に解除されています。)
深さが浅い震源からの強烈な揺れは、人々の生活と建造物に甚大な影響を与えており
令和6年1月現在でも詳細な被害状況を確認中です。
国土交通省<令和6年能登半島地震における被害と対応について>
https://www.mlit.go.jp/saigai/saigai_240101.html
マグニチュード7.6の衝撃
他地震との地震規模の比較
今回の能登半島地震の規模をこれまでの日本での震災での地震と比較して理解しましょう。
能登半島地震(2024年): マグニチュード7.6、最大震度7、深さ約16km。(全て暫定値)
東日本大震災(2011年): マグニチュード9.0、最大震度7、深さ約29km。
阪神・淡路大震災(1995年): マグニチュード7.3、最大震度7、深さ約16km。
地震の規模を表すマグニチュードについては、阪神・淡路大震災よりも大きなものであり、
過去の日本での地震においても、かなり大規模なものであることがわかります。
震源と津波警報
震源は能登半島先の日本海で、深さ16kmと比較的浅いところにありました。
津波は、海底が地震により動き、それに伴い海の水が動くことによって発生します。
そのため、震源が浅いほど、地震が直接的に多くの海面を動かし、強い津波が起こります。
能登地震では、この地震の強さと位置から、大津波警報が発令されました。
津波による被害も含め、被害の全容は現状(2024/1月現在)つかめていません。
気象庁HP<https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/tsunami/generation.html>
震度とマグニチュード
震度とマグニチュードの違い
震度は地震の揺れの強さに基づいて表す指標で、地震の影響を直接的に示しています。
一方、マグニチュードは地震そのもののエネルギー放出量を示し、地震の規模を反映します。
震度はある場所の影響を示し、マグニチュードは地震全体の大きさを示します。
震度について
日本の震度階は、現在では、ほぼ揺れを感じない震度0から震度1・2・3・4・5弱・5強・6弱・6強、そして最大の7までの10段階が設定されています。
現在は、日本各地にある震度計の観測値から評価をしたうえで、震度が決定されます。
しかし、1996年4月までは、気象台の職員などが、自身の体感、建物などの被害状況などを、指針にある階級表に当てはめて震度を決定していました。
四半世紀たったとはいえ、平成初期のごく最近まで、客観的とは言えない評価法により震度が決定していました。
気象庁HP<https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/index.html>
マグニチュードについて
マグニチュードには、リヒタースケールやモーメントマグニチュードスケールなど、さまざまなスケールがあり、それぞれが特定の範囲や地震のタイプに適しています。
日本では、気象庁マグニチュードという固有の評価法を採用しています。
その中でも、モーメントマグニチュードスケールという広範囲の地震を正確に測定できるスケールも、併用的に使われています。
マグニチュードについてイメージしやすいよう具体的に数値化すると
ある地震に比べてマグニチュードが0.2大きい地震は約2倍、1.0大きい地震は約32倍、2.0大きい地震は1,000倍のエネルギーを持ちます。
マグニチュードが1.0大きくなると、地震の大きさが32倍になるのは、
マグニチュード(M)と地震のエネルギー(E)の式が
logE=11.8+1.5M
と対数で表されるためで、これに(M+1)を代入して、計算すると凡そ32倍になることがわかります。
まとめ
令和6年元日に石川県能登地方で発生したマグニチュード7.6の能登半島地震は、阪神・淡路大震災以上のマグニチュードでした。
また、震源も浅く、津波の発生しやすい地震であることがわかりました。
震度は、地震の影響を直接的に示し、マグニチュードは、地震の規模を示しています。
また、震度階の変遷と現代の震度測定法、さまざまなマグニチュードスケールについても説明しました。
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