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一級建築士 構造 積雪荷重

積雪荷重はイメージがしやすいので、一級建築士試験においては是非とも正解しておきたい問題です。考え方は、屋根の上に積もる雪の重さがどれだけかを考えるだけなので、雪の比重×雪の積もる体積というものです。それを建築用語を用いて表現すると

積雪の単位荷重×屋根の水平投影面積×垂直積雪量

となります。それぞれについて、解説すると

積雪の単位荷重 一般地域:積雪1cm当り20N/㎡以上 多雪区域:特定行政庁が定めた数値
20N/㎡と言われると、ピンとこないが、雪が1cm積もると1㎡当り2kgくらいの重さがあるとイメージしやすいかと思います。雪はフワフワしているので、感覚的にも納得できます。一方、仮に1mと積もると2t程度の重さになるわけなので、実際は中々侮れないというのも、雪国での落雪事故で理解できます。また、雪の比重は全国何処でも同じではなく、多雪地域では20N/㎡よりも大きい。雪にも水分が多いものや、少ないもので比重が違うのは感覚的にも理解できますが、それと地域による違いはリンクしている訳ではないと思います。恐らくは、不確定要素の大きい自然現象に対しての安全措置と考えられます。

屋根面の水平投影面積:水平投影面積は建築ではここに関わらず重要な考えであるので理解しておきたい内容です。一方、分かりやすい解説がネットにゴロゴロあると思うので、他に譲りたいと思います。

垂直積雪量:つまりは、どのくらい積もるかと言うことです。これは、基本的に地域毎に特定行政庁が決めた数値があるのでそれに従うことになります。多雪地域などは計算式もあり、それによることもありますが、実際の設計では行政のHPを見るのが殆どです。不確定要素の大きい積雪値などは、公的に認められた数値を根拠にしたいと思う感覚は理解できかと思います。
また、勾配のある屋根等は、雪が積もりにくいことを考慮して、勾配の傾斜に応じて雪荷重を低減できる点も覚えておきたい点です。

上記を理解した上で、一級建築士試験での注意点について

◆平成31年に改正され、狙い目とされるのが、緩勾配屋根での雪荷重の割増です。これは、積った雪に雨が降った際に重みが増し、それが起因で破損した倉庫の屋根などが散見されたことにより改正されたものです。また、これは雪荷重に対するケアが手薄だった地域で起きたので、対象は多雪地域ではない地域となる点が間違えやすいポイントです。

◆雪が積もった後に、南側だけ先に溶けてしまうことで、雪荷重の分布が不均等になる場合も実態として考える場合は、構造設計においてもその点を考慮して設計する必要があります。

◆雪国では雪おろしを定期的に行う慣習があるため、実況に応じて垂直積雪量を1mまで低減することが出来ます。その代わり、その低減を行った場合には、建物のわかりやすい位置に、その低減を行っている旨と必要な注意喚起を掲示する必要があります。

以上が、一級建築士試験における積雪荷重のポイントとなります。細かくは色々とありますが、屋根の形や地域特性等の実況に合うように設定されている点を抑えておくと、知らない問題にあたった時に考えるとっかかりに出来るかも知れませんので覚えておいてください。

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