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積載荷重をマスター: 一級建築士受験者と初学者への完全ガイド

一級建築士試験構造分野で必ず1問以上は出題される「荷重」。

いくつか種類がありますが、それぞれがどのようなものかはざっくり理解しておく必要があります。

その中で、名称だけではイメージしづらい「積載荷重」について、本質も踏まえ分かり易く解説します

多くの方が「意味わからん!!」となる「床用、架構用、地震用」に分かれている理由もしっかり解説します。

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目次

はじめに

「積載荷重」とは、「その部屋に積載されるものによる荷重」です。

例えば、机や本棚などの家具や、その部屋にいる人の重さです。当然、重い荷物を置く場所や人がたくさん集まる場所の積載荷重は大きく設定する必要があるので、積載荷重は部屋の用途によって異なります

下記が、建築基準法施行令85条に記載されている積載荷重を表にしたものです。

試験では、直接的にそれぞれの数値を問う問題は少ないように思いますが、「事務所」と「教室」のどちらが床用の積載荷重が大きいか?などの聞き方をする問題はあるので、代表的な数値は頭に入れておきましょう。

ここで、多くの方が「意味わからん!!」となるのが、「床用、架構用、地震用」に分かれていて、違う数値になっていることです。

「積載荷重が部屋の用途で別れるのはわかるけど、更に細かく分かれるとか意味わからん!」

が皆さんの心の声かと思います。

こちらは、実際のプロジェクトでお客さんへ説明する際も、まったく同じ質問を受けることが多くあるので、一級建築士として、しっかり説明できるように理解しましょう!

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これがわかれば解決!積載荷重のおさえどころ

さて、ここで積載荷重を理解を深める情報をお伝えしたいと思います。荷重と聞くと「重さ」ばかりが気になるかと思いますが、実は、積載荷重を考えるうえで大切なのは、「使われ方」と「空間」を考えることです。

「使われ方」ってどういうこと?

まず、「使われ方」ですが、家の居室と事務所を考えた場合、置いてあるものなどを考えると、何となく事務所の方が重いかなーとは思えます。

では、教室、売場、客室・集会所に連絡する「廊下・玄関・階段」はどうでしょう?

荷物は殆ど無いにも関わらず、3,500(N/㎡)と大きな値です。

これは、災害時の避難等の場合、人が廊下に集中することを考慮しているからです。

同じような理由で、また、劇場等の積載荷重は、「固定席」と「その他」に分けられます。

コンサートを聞くような固定席の場合、席数が決まっているので、どのくらいの重量になるかは、大体把握できます。

一方、ライブハウスのような劇場は、ギュウギュウに詰め込む場合、何人まで収容できるかは不確かで、どのくらい人が集中するかわからないので、「固定席」の積載荷重よりも大きく設定します

この様に、積載荷重はある「使われ方」の条件で積載物の量が不明瞭であったり、積載物の集中が見込まれるものは大きく設定される傾向にあります

「空間」ってどういうこと?

次に「空間」についてです。

部屋に本棚を置いた場合、本を取る為に本棚の前にはある程度のスペース(空間)が必要です。

積載荷重はそういったスペースもあることも考慮されて設定されています。

それが一番表れているのが、積載荷重に「床用、(小梁用)、架構用、地震用」の種類があることです。

構造計算では、スラブの検討する場合は床用の積載荷重の値を使い、大梁や柱の検討をする時は架構用を使います。

部屋に置いてある積載物の重量は同じなのだから、スラブ用や架構用と分けるのは何故でしょうか?

その理由が「空間」です。

前述の本棚を例に考えてみます。

本棚が乗っているスラブを検討するときは、スラブの上の本棚の重量を考えます。

その時、本棚の前には必ず一定のスペースがあり、その部分に何か重量物を置くことを仮定するのは、重量を過剰に見込んでいるとわかると思います。

なので、合理的に構造計算するために、何も置いていないスペースを考慮します。

さて、次に大梁や柱について考えてみます。

部屋の柱から柱までの間には、本棚以外にもテレビやソファがあるかも知れません。

それと同時に、本棚の時と同じようにスペースがあるかと思います。

柱から柱までの重量物に対するスペースの割合は、本棚に対する目の前のスペースの割合よりも大きくはありませんか?

この何もない部分の割合が増えることが、積載荷重が「床用(小梁用)>架構用>地震用」となっているカラクリです。

倉庫の積載荷重の床用⇒架構⇒地震の減少割合が小さいのは、倉庫は荷物を可能な限り効率よく詰め込むことを考えているので、重量物が載らないスペースが少ないからです。

一度、上記のことを頭に入れて積載荷重表を見てみましょう。

イメージとリンクして記憶の助けになるかと思います。

荷重表の数値を覚えなくとも、大小比較するような問題も一度落ち着いて「使い方」と「空間」をイメージしたら正答できると思います。

また、意匠設計者がプロジェクトの基本設計内容を説明した際に、お客さんから質問されてもこの記事の内容を覚えておけば、きちんと説明出来て、お客さんからの更なる信用獲得ができるでしょう。

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