MENU

エコ建材の意外な落とし穴: 高炉スラグコンクリートのデメリットと対応策

脱炭素社会実現に向けて、脱炭素コンクリートの普及が始まろうとしています。

その中で、脱炭素コンクリートはひび割れ抵抗性については、弱いということも知られています。

今回は、脱炭素コンクリートのひび割れに対する注意事項と対応策を紹介します。

現状で最も流通しているエコ建材に関しての内容です。何かにお役に立てればと。

この記事には、Google Adsense広告・Amazonアフィリエイトのリンクが貼られています。

目次

エコ建材:高炉スラグコンクリートについて

コンクリート生成時のCO2通常のコンクリートを100㎥施工する時に排出されるCO2を工種毎に分けると下記の通りです。

総量で約54tのCO2が排出されますが、この中で大きな割合を占めるのが、鉄筋とセメントの製造段階です。

セメントのCO2排出量が多い理由は、製造時に原料を焼却することと、原料の炭酸カルシウムがセメント中の酸化カルシウムに変わる時にCO2を大量に発生させる為です。

現在、様々な脱炭素コンクリートの開発が進んでいますが、現状最も一般的な方法は、高炉スラグを用いることです。

高炉スラグは、鉄を作る際に高炉から出る副産物で、コンクリートの材料としても広く一般的使われています。

高炉スラグを用いることで、100㎥あたりで約18%のCo2削減効果があると言われています。

その為、国もグリーン購入法で導入を後押ししており、公共工事でも使用することが推奨されています

高炉スラグを用いたコンクリートは、塩化物遮蔽性や化学抵抗性が大きいため、塩害やアルカリ骨材反応等の化学的な耐久性に優れています。

普通ポルトランドセメントより水和熱が低く、硬化後の化学抵抗性が強いことから、強度と耐久性が要求される橋脚やダムなどの土木工事用途に多く使用されています。

また、流通も安定的に確保されており、これまでも多く用いられてきました。

高炉スラグコンクリートの注意ポイント

このように高炉スラグを用いたコンクリートは多くの利点を持っていますが、ひび割れ抵抗性には注意が必要です。

下記の論文には、高炉B種コンクリートは、普通ポルトランドセメントのコンクリートと比較して、ひび割れ抵抗性が低いことが示されています。

「高炉セメントB種コンクリートの収縮ひび割れ抵抗性に及ぼす各種要因の影響およびその向上対策に関する実験検討」

特に、夏場の施工時には、ひび割れが抵抗性が著しく低下する傾向にあるようです。

プロジェクトの工程をずらすことは難しいですが、夏場に高炉B種コンクリートを利用する際には、

その使用箇所の仕上げの状況・求められる耐久性・対候性を考慮して、打設時期をコントロールすることは有効です

また、収縮低減材の使用により、その傾向は顕著に改善されることも報告されています

利用する際には追加コストを考慮しておく必要がありますが、対策案としての有効なようです。

まとめ

  • 脱炭素コンクリートの普及が進んでおり、一般的に使用されいる材料として高炉スラグを用いたコンクリートがある。
  • 通常のコンクリート製造時には約54トンのCO2が排出されるが、高炉スラグを使用することで約18%のCO2削減が可能である。
  • 高炉スラグを用いたコンクリートは塩化物遮蔽性や化学抵抗性に優れる。
  • 高炉スラグを用いたコンクリートはひび割れ抵抗性が低いという弱点がある。
  • 特に夏場の施工時にひび割れ抵抗性が低下する傾向にあり、打設時期のコントロールや収縮低減材の使用が有効な対策とされる。

書籍紹介

この記事は、下記の書籍を参考にしています。

ひび割れに関する知識が盛りだくさんの良書です。

「コンクリートの新知見 ひび割れトラブル完全克服法」

あわせて読みたい
ひび割れを予防する誘発目地の科学:失敗原因と解決策 鉄筋コンクリート造建物において、美観や耐久性の確保ために、ひび割れの制御は重要です。 今回は、ひび割れを制御するうえで最も用いられる誘発目地について、 誘発目...
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次